| 胆石症について |
胆石症は日頃よく耳にする疾患ですが、日本人の胆石保有率は7〜15%で、女性に多く、年齢とともに増加します。胆石のほとんどは胆嚢内にあり(90%)、残りは胆管内にあります。
この病気の症状としては、胆石疝痛発作と呼ばれる右上腹部〜心窩部に出現する激痛で、夜間、就寝の直後に出現することが多く、右肩や右背部に放散する痛みがしばしば認められます。発作は通常、数十分〜数時間で治まりますが、難治性のものや、膵炎を引き起こすおそれもありますので、放置することはお勧めできません。脂肪の多い食事、暴飲暴食、過労、興奮などが誘因になりやすいものと考えられています。
また、検査法の発達により無症状の胆石が多く見つかるようになってきました。胆石はその成分によって、コレステロール系石、色素系石などに分類されます。最近では、欧米化された食事、過剰な摂取カロリー、肥満者の増加などにより、コレステロール系石の頻度が80%前後となっています。胆石症は今なお増加傾向にあります。
診断は、超音波検査により胆石の存在のほとんどが診断でき、空腹時であれば、何の苦痛もなく、繰り返し受けられますので、ファーストチョイスになっています。その他、CT検査やMRI検査が行われることもあります。特に胆管内結石が疑われるときには、内視鏡による検査(逆行性胆道造影)が必要になることもあります。
治療法は、胆石があると診断されても無症状であれば、定期的な検査のみで特に治療を必要としませんが、一度でも症状が出現したら治療すべきでしょう。非手術的治療として、溶解剤療法と体外衝撃波破砕療法がありますが、その適応が非常に限られること、治療効果が低いこと、再発率が極めて高いことよりあまりおすすめできません。根治的治療としては、手術が必要になります。手術療法として、開腹手術と腹腔鏡手術があります。腹腔鏡手術は1990年頃我が国に紹介され、またたくまに胆石症の標準手術として普及しました。この手術はお腹に1センチくらいの切開孔を3〜4カ所あけるだけで、内視鏡をいれて手術するという方法です。開腹手術よりは難易度が高いと考えられていますが、熟練した外科医であれば安全に行いうる、非常によい手術です。何よりも術後の痛みがきわめて少なく、早期に社会復帰が可能です。多くの施設では、術後3〜7日間の入院というところでしょう。
ただ、胆嚢の炎症が強い方、以前に上腹部の手術、特に胃の手術を受けられた方には不可能なことが多く、すべての患者様に適応というわけではありません。通常の開腹手術とどちらがより適しているかは、個々の患者様によって異なるので、主治医とご相談下さい。
胆石症と胆嚢癌の関係ですが、両者の因果関係はいまだに確たるものではありません。しかしながら、胆嚢癌の90%近くに胆石が合併していることは事実ですので、症状のない胆石症の方でも定期的な検査は忘れずに行っていただきたいと思います。
胆石症の診断や治療は、最近大変進歩しました。悩みを抱えている方、検診等で胆石を指摘された方はまず主治医に相談してみることをお勧めします。いろいろな解決法、悩みの軽減法がみつかると思います。 |
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